自主企画山行報告 ２０００年５月

富山ハイキングクラブ
２０００年

山 行 日 付	集合時間	行 先	企画区分	Ｌ	ＳＬ	参加数
５月４日（木）	０６：３０	早乙女岳	自主企画	前野	小川	８名

参加者	Ｌ前野立穂ＳＬ小川清美、東忠紀、窪田 順子、波間 省司、 藤澤 正欣、谷 磨梨子 平野 美奈子

天候：曇のち晴れ 積雪：

（ 標高２０５０Ｍ） 地形図２万５千「剣岳」

その他

記録	撮影：小川清美 ・感想：平野 美奈子

朝６時３０分どんよりとした空の下、上市町役場に７名が集合、車２台で目的地へ向かう。
７時過ぎ小又橋脇の空地に車を停める。ここで藤澤さんと合流。
身支度を整え７時２０分出発。

今回はコット谷ルートで早乙女岳に登ったことのあるメンバーが８名中４名いる。雪の状態
とその時の経験から小又川沿いを捨て、迷わず林道にルートをとる。林道を５分程進んだ
ところで上部に見える林道まで直登することにする。高度にして５０ｍ強をいっきにかせぐ。
林道は雪崩で埋まってしまって斜めになっているが、谷側に３０センチ程土が出ているので
歩くのにさして苦労しない。途中、２、３箇所上部からいっきに小又川まで雪崩れているとこ
ろがあるが慎重にトラバースする。

８時頃スノーシェッドに着く。トップを行く波間さんより「１本立てる？」の声、しかしリーダー
より「コット谷出合まで行こう」とそのまま歩を進めることにする。ようやくコット谷に入るがなお
も休憩適地を求めてザックを降ろしたのは８時５０分。ここで軽く腹ごしらえをすることにする
駐車場に１台の車があったが、ここまで前にも後ろにも登山者を見かけない。白馬大雪渓
のようなコット谷に私たちだけである。


天候は回復傾向にあり太陽が顔を出すようになる。９時１０分いよいよ「見えてるんだけど長
いんだよなあ」の大熊山と早乙女岳の鞍部を目指して出発。ところどころデブリが張り出し
ている。大きな雪のブロックも転がっている。１０時過ぎ１１５０ｍ程の地点で休憩を取る。
やっぱり見えてるけど遠い。水分補給などをしてとにかく進む。

「あれ人じゃないか」の声に前方を見ると豆粒のような点が２つ動いているような動いていな
いような・・駐車場にあった１台の主だろうか。そうこうしているうちに大熊山の尾根から人が
降りてくる。３人、４人・・うん？６人か・・スキーを履いているようだ。荷からすると大熊山あた
りで幕営したのだろうか。近づいてから聞いてみると４人パーティだそうで、やはり大熊山
からだそうだ。言われてみると１人は単独行のようでスキーを履いていない。１人でわきめも
ふらずスタスタと下って行く。時間と荷からするとこの人も大熊山で幕営か。
あれ、もう１人は・・と見ると降り立った地点で座ったままだ。

ずっと休んだままだった６人目の単独者が私たちが近づくと、やっと腰を上げて鞍部へ向け
て歩きだした。私たちはその地点で休憩とする。時計を見ると１１時、１３５０ｍぐらいだろうか
見ていると先刻の単独者は５、６歩登っては止まっている。だいぶ疲れているようだ。
鞍部には豆粒だったはずの２人パーティが見える。下ってくるのかと思っていると、どうやら
登っているようだ？？？。コル直下の急登で時間をくったのだろうか。私たちも心して急登
に取り付く。ぜいぜいはぁはぁ喘ぎながらなんとか鞍部に到着。狭いのでもう少し登ったとこ
ろで息を整える。
さっきの単独者の方もいる。けっこう年輩の方で今日はここ迄で帰るとのこと。
コット谷の方に３人パーティが登ってくるのが見える。

さあ、もうひとがんばりと先を急ぐ。１７００ｍぐらいのところで先行していた２人パーティが
降りてくる。えらく早いなと思っていると１８００ｍで帰ってきたとのこと、１２時をタイムリミット
にしているそうだ。５０半ばぐらいのご夫婦だろうか。女性の下り方が少しおぼつかないよう
なので、それが賢明かもとよけいなことを思う。そんな私も少々バテ気味で・・と言うか完全
にバテていて、上を見上げてはウンザリしている。人の心配どころではない。

尾根上は風がありシラビソが樹氷になっている。ここで積雪３〜４ｍぐらいだろうか。
１３時２０分やっとだだっ広い頂上に着く。
ほんとに広い。空の方も青空になって気持ちがいい。弥陀ｹ原が見える。除雪された
アルペンルートがくねくねと黒大蛇のようだ。劔も時折りガスがかかるものの、その雄々しい
姿を見せている。そして何よりも目の前の大日岳がきれいだ。
ここから稜線づたいに１時間半ぐらいの距離だろうか。神々しいくらいに輝いている。
あんな悲惨な遭難があったとは思えないくらいに･････。

　

頂上では長居をしてしまった。予定をオーバーして一時間も過ごしてしまった。
その分下山は早い。いっきに１時間あまりでコット谷出合まで駆け下りる。
さっき見えていた３人パーティが川沿いを下って行くのが見える。このパーティも途中で
引き返したようだ。右岸の方へ行ったのでそこから行けるのかなと見ていると、また戻って
きている。徒渉出来ずに難儀しているようだ。私たちは来た道、林道を通ることにする。
途中、眼下の川原を歩く３人パーティが見えた。遅れているようなのでやっぱり林道の方
がいいみたいだ。１６時４０分小又橋に無事下山。

　　以上